ホンダの「CB」って何?その歴史やCBRとの違いなどをザックリ解説【前編】

【文:沼尾 宏明】

ホンダを代表するシリーズの「CB」。よく聞く名前だし、多くの車種があるけど、一体どういうシリーズで、どんな歴史があるのか?さらにCBRやGBとの違いは?その辺まるっと解説しちゃいます【前編】。

現代のCBなら「ネイキッド」と思っておけば間違いない

教習車としてお世話になった人も多いCB400スーパーフォアを筆頭に、バイクに乗っていれば何度も耳にするホンダの「CB」というブランド。でも、どんな特徴があるのか、パッと説明できる人はあまりいないのではないでしょうか。

確実に言えるのはネイキッドであるということ。現行ラインナップのCBは並列4気筒モデルが大半ですが、過去をさかのぼると気筒数がまちまちな上にモデル数が膨大すぎて収拾がつきません。
近頃CBシリーズの生産終了が相次いでおり、現在も購入できるのはCB1300スーパーフォア/スーパーボルドール、CB1000R、CB650R、CB125Rの5車種のみ。ホンダのWEBサイトにCB1100シリーズ、CB400スーパーフォア/スーパーボルドールも掲載されていますが、これらは既に生産終了しており、店頭在庫のみとなります。

CB400 SUPER FOUR/CB400 SUPER BOL D'OR

2022年10月末をもって30年もの長い歴史に幕を降ろしたCB400スーパーフォア/スーパーボルドール。長年の熟成によって扱いやすく、ベストバランスと言える完成度が魅力です。心臓部の並列4気筒はバルブ数を切り替えるハイパーVTECを搭載していました。

CBシリーズの販売車両を見る

CB1100 EX/CB1100 RS

CB1100EX

CB1100シリーズは、最後の空冷直4モデルでしたが、ついに絶版。2010年にあえて空冷4気筒を新設計し、好評を博したものの、排ガス規制に適合せず、2021年発売のファイナルエディションで殿堂入りしました。

CBシリーズの販売車両を見る

そもそも「CB」とはどんな意味なのでしょうか?

そもそも「CB」とはどんな意味なのでしょうか。これが意外にも諸説あり、ハッキリしないのです。
「CluB Man Race」から採った説をはじめ、「Cycle」と「Better」から採った説、「motor Cycle」の「C」と「cluBman」の「B」を組み合わせた説、対米向けに「CA」という呼称を使った後だから「CB」にした説、「Creative Benchmark」説などなど。

ちなみに筆者は、東本昌平氏のバイク漫画『キリン』に「CrazyBlood」というタイトルがあり、「これがCBの意味なのだ!」と思っていたことはナイショです(豆情報・・・後に『CRAZY BLOOD LINE NOW』というシリーズも登場しました!)。

ビギナーの中には「CBのほかにCBRもあるけど、この違いは何?」と考える方もおいででしょう。CBRの「R」とは「レーシング」の意で、スポーツ性能をより高めたCBと言えます。

CBR1000RR-R FIREBLADE

CBR1000RR-R
CBRシリーズの販売車両を見る

【ヒストリー】1959年の初代CBから続々とデビュー!

CBがどんなシリーズなのか、そしてCBRはどういった経緯で登場してきたのか。これらを理解するためにも、CBの歴史をざっくりと紐解いてみましょう。

まず歴代で初めてCBを襲名したのが1959年の「CB92」。前年に登場した「C90」をベースとし、125ccの空冷並列2気筒エンジンを搭載。浅間火山レースで勝つために当時の最新技術を結集した、現代で言うスーパースポーツでした

BENLY CB92 SUPER SPORT

BENLY CB92 SUPER SPORT

「トップギヤ70km/h以下では走れません」のキャッチフレーズで登場したのが、初のCBである「ベンリィCB92 スーパースポーツ」(1959年)。最高出力15psで最高速度130km/hでした。当時の新車価格は15万5000円。
その翌年に250ccのCB72が登場すると、CBの名を冠したモデルが続出。CCB77スーパーホーク、CB450、CB125、CB250、CB350などが登場し、2気筒、単気筒と気筒数もまちまちでした。

そして一躍CBの名を世界に知らしめたのが、1969年に登場した「CB750フォア」です。2気筒が主流の時代に、実質的に二輪量産車初となる直列4気筒を搭載。驚異的な性能と大きな車格が大人気となり、「ナナハン」という言葉の元祖となりました

DREAM CB750FOUR

DREAM CB750FOUR

CB750フォアは736ccの並列4気筒は67psを発生。国内価格は38万5000円でした。ホンダ創業者の本田宗一郎氏が「こんなバイク誰が乗るんだ」と言ったエピソードが有名。

その後4気筒は400ccクラスにも波及し、1974年12月に「CB400フォア」が登場。さらに1979年にはCB750フォアに代わる次世代の旗艦「CB900F」(国内版はCB750F)がデビュー。1981年には、その発展強化型でワークス耐久レーサーの技術を還元したCB1100Rも登場します。

DREAM CB400FOUR

DREAM_CB400FOUR

美麗なカフェレーサー、CB400フォア。4in1マフラーは市販車初のメカでした。

CB750F/CB900F

最先端スーパースポーツだったCB750F/CB900F。DOHC4バルブの直列4気筒をホンダで初めて搭載し、900Fはハイパワーの95psを発生。軽量なアルミコムスターホイールや、可変減衰力のダンパーなど足まわりも豪華でした。


一方、1978年にちょっとした異変が。CBを超えるCBとして、1047ccの並列6気筒エンジンを積む「CBX」が登場し、ライダーの度肝を抜きました。

CBX

CBX

CBXは、GPマシンと同様の並列6気筒を搭載し、105psを発生。「キングオブザロード」のキャッチコピーに相応しい走りと外観を誇りました。

ウェビックバイク選びでバイクを探す この他のモトガイドを読む

この記事にいいねする

おすすめの記事